鉱物スイーツの10年【3】水晶パフェ
ウサギノネドコの代表の吉村紘一です。
ウサギノネドコカフェ10周年を迎えるに当たって、これまでの鉱物スイーツの開発秘話を連載しています。
これまでの連載記事はこちら
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鉱物スイーツの10年【1】
鉱物スイーツの10年【2】「ラピスラズリのオペラ」
次に取り上げるのはウサギノネドコカフェの看板メニューにもなっている「水晶パフェ」。
2019年6月に「水晶パフェ」を発売して以来、いくつかのバリエーションを開発してきました。
(上)水晶パフェ 青の水晶パフェ
(下)桜の水晶パフェ いちごの水晶パフェ
初めて開発をしたのは2019年5月。当時、在籍していたカフェスタッフがミーティングの場で、
「水晶パフェを開発したいのですが、どう思いますか?」
と手描きのスケッチとアイデアを私の元に持ってきたのがきっかけでした。
鉱物の世界で水晶は、「水晶に始まり、水晶に終わる」と言われるほどメジャーな存在ですし、誰もが知っている鉱物でもあります。
そして、パフェも「完全な(Parfait)デザート」が語源で、スイーツとしての王様のような存在です。
水晶 × パフェの掛け合わせは、強い組み合わせになりうるし、うまく開発ができればウサギノネドコの看板メニューになりうるなと、第一印象でパッと思いました。
「すぐ開発しようよ!」と伝え、そこから水晶パフェを急ピッチで開発することになります。
開発当初から
1 パフェの頂上部に水晶を載せる。
2 地層を掘り進めるように、様々な食感や味を楽しめるスイーツにする。
という方向性は決めていましたが、「どんな器にするか?」で非常に苦戦し、紆余曲折しました。
写真は一番最初に作った試作の水晶パフェ。当初にスタッフが持ってきたスケッチしたアイデアを素直にそのまま具現化した物でした。
スケッチを形にしてましたが、具現化するとなんだかイマイチまとまりにかけるし、肝心の水晶が全然引き立たない…。
器、見た目、味ともに再検討が必要でした。
次の試作の方向性を話し合い、数週間後に作った二回目の試作がこちら。
爽やかなレモンのコンフィチュールと、サクサクした食感のシュトロイゼル。そしてグレープフルーツとタイムの蜂蜜マリネ、クリームチーズのアイス、カットマンゴーなど、味や見た目の方向性は徐々にまとまり感ができ、見た目に関してはまだまだ改善の余地がありましたが、この時に完成形は見えてきました。
器についても左のような台形をひっくり返したような器にすることに決めました。
一般的なパフェグラスではないと思いますが、デコラティブで個性的な造形の器よりも、上部の水晶が引き立つと考えたのです。
そして更なるブラッシュアップを重ねて水晶パフェは完成します。
そして、2019年6月。美味しそうな見た目の石を集めた「おいしい石展」に合わせて、水晶パフェは発売開始したのですが、多くのメディアや、SNSで取り上げていただき、ウサギノネドコカフェとしては大ヒットスイーツとなりました。
その後、いくつかの新作や改良を重ねて、2020年の7月に販売を開始したのが現在の看板メニューである「青の水晶パフェ」。
大きな青い結晶はスピルリナ(藻の一種)由来の天然色素で青く色付けした錦玉羹(きんぎょくかん)です。
スピルリナが赤く蛍光する特徴があることから、ご提供時にお客様にブラックライトをお貸しして、蛍光する様子をお席でお楽しみいただいています。
よく「この水晶はどうやって作っているんですか?」と聞かれるんですが、今も1個ずつ手でカットして作っています。
普段なかなかお見せすることがないのですが、水晶パフェの水晶をカットしているところを動画で撮影してみましたので、よろしければご覧ください。
「鉱物スイーツの10年」。次は「鉱物スイーツ・アソート」を取り上げようと思います。どうぞお楽しみに!
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鉱物スイーツの10年【1】カフェスイーツの歴史
鉱物スイーツの10年【2】ラピスラズリのオペラ
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