和名:乳珪石
英名:Menilite

最近のウサギノネドコときたらウニや海綿動物から果てはフジツボなど、普段の生活ではまぁ馴染みのない生き物をたくさんかき集めているので、これも何かの変わった生き物かしらと案じた方もいらっしゃるやもしれません。

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が、こちらはれっきとした石でございます。
しかも宝石として有名な「オパール」の一種です。

通常オパールというと虹色にきらめくものを思い浮かべるかもしれませんが、実はオパールには大きく分けて2つの種類があります。
一つは「プレシャスオパール」というきらめきのあるタイプ。
そしてもう一つは「コモンオパール」といってきらめきのほとんどないタイプです。今回のメニライトはコモンオパールに属します。

プレシャスオパールは宝石として利用されることも多いので、目にしたことやご存知の方も多いかも知れませんが、メニライトのようなコモンオパールはあまり目にすることがないかと思います。
特にこのメニライトは2010年に発見され、流通しだして間もないということもあり実際にまだあまりメジャーなものとは言えないでしょう。

ところで、このぷってりした愛らしい形の石には小さな巻貝が埋まっていることがあります。

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小さな巻貝とその跡

そして、水中に生息する小さな藻類である珪藻を多く含む堆積岩の中で形成されるらしいのです。
つまり、水にすむ生き物が積もって出来た岩石中に形成され、しかも巻貝を伴って産出するということは、このメニライトは湖や海の底で長い年月をかけて堆積し、一つの形に押し固められた小さな生き物たちの集合体とも言えます。
このようなつくりをしているせいで、オパールというくくりにおいては「不純物を多く含むもの」という表現になってしまいがちです。
ですが、死んだのち新たに一つの形にまとまることでこのメニライトの特徴的な造形を生み出しているという風に考えると、かつて存在した生き物が形を変えて美しく存在しているということでもあります。
ウニやカイロウドウケツもそうですが、自然物の亡骸に美しさを感じるというのは、改めて考えるとなんとなく違和感を感じてしまいます。

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